Typoless 導入事例 | 業種:メーカー(生活用品など)
ライオン株式会社 様
企業のメッセージを社内外へ、正確かつ適切に発信

- 目視では見つけにくい誤字や半角スペースを的確に指摘
- 最後に客観的なチェックを行い、工数を減らして効率化
- ミスの可能性に気づくことで校正の力量もアップ
ハミガキやハンドソープ、洗濯用洗剤、台所用洗剤などの生活必需品を提供するとともに、人々の健康に関する習慣づくりを130年以上にわたって提案してきたライオン株式会社。消費者にとって身近な存在の企業であり、数多くのステークホルダーを有している。同社の考え方や、それを体現したコンテンツを社内外に発信する活動においては、正しい日本語を用いることが求められる。企業ブランディングを推進する部署で社内報を担当する中島純子様と、オウンドメディアを担当する鈴木彩様に、文章校正AI「Typoless」の活用シーンについて語っていただいた。
オウンドメディアと社内報の校正に課題感
――ライオンのコーポレートブランディング室における皆さんの役割をお聞かせください。
鈴木彩 様(以下「鈴木」) ライオンは「より良い習慣づくりで、人々の毎日に貢献する(ReDesign)」というパーパス(存在意義)に基づいて活動しています。そのなかで、オウンドメディアでは様々なメディアを使って社外へのブランディングを展開しています。私の担当する「LION Scope」では、毎日あたりまえに繰り返している習慣について掘り下げていくことをコンセプトにしています。
中島純子 様(以下「中島」) 社内報の役割は主に3つあります。1つめは経営の考えをかみ砕いて伝え、共通目的・共通認識を図ること、2つめは社員間コミュニケーションの活性化を図ること、3つめは先ほども話がありましたが、パーパスの実践とそのパーパスを実践していくうえで「判断の拠り所」となる「ビリーフス」(信念)の体現者を紹介し、それを企業文化として育んでいくことです。
――ご担当の媒体では、校正に関してどのような課題がありましたか?
鈴木 「LION Scope」は2つのオウンドメディアを駆使しており、コーポレートサイトの特集記事では、様々な分野で活躍する方々との対話を通じて、日々の習慣を深掘りしています。ライオン公式noteで掲載しているのは、その編集後記や、あらゆる習慣について探求する記事です。どちらの媒体も読みやすさや柔らかい表現を意識しつつ、コーポレートとしてきちんとした文章を担保しなければなりません。将来的に記事の頻度を増やしていくとなったときに、どのように効率化をはかるのかという課題感がありました。
中島 社内報「たてがみ」は、コロナ禍でテレワークが急激に進んだことが後押しになって2020年2月の発行を最後に、紙からウェブへと大きく転換しました。記事によって文字数は300字から5,000字程度と様々です。多彩な情報を冊子にまとめて定期的に掲載していましたが、ウェブになったことでそれぞれの記事を週に何本も即時的に掲載できるようになりました。一方で、私たちの校正の負担が増えたという変化があります。紙で発行していた当時は、私たちの校正に加えて、印刷直前に外部の編集会社が最終校正・校閲の指摘をしてくれていました。その工程がなくなり、個々の記事を自分たちで毎回チェックしてアップするという作業が増えたのです。
使うことで文章に対する感度が上がる
コーポレートブランディング室 中島 純子 様
――導入段階での「Typoless」への印象や使い方について教えてください。
鈴木 第一印象は、ユーザビリティがシンプルで使い勝手も良いと感じました。世の中に優れたツールはたくさんありますが、説明書を見なければならないような難しいものは、業務で忙しいと使われる機会がありません。Typolessは誰でも直感的に扱えるのが特長だと思います。
中島 使い勝手が良いと、ちょっと空いた時間に記事以外の文章も入れてみたくなりますね。今までは校正のシステムを使うという発想がなかったので、好奇心からいろいろ試しています。
細かな表記の揺れや誤字脱字、常用漢字以外の漢字など、どうしても見落としてしまうものもあります。そこは Typolessにお世話になっています。細かな部分で助けてくれる「相棒」のような存在と言えるかもしれません。
鈴木 オウンドメディアの場合、自分たちのチェック以外にも、関連部署などでは表現のチェックのほか、誤字脱字をチェックしてもらうなど、厳格に運用しています。それでも、Typolessでチェックすると何かしらの指摘が出てくるので、二重チェック及び答え合わせ的な意味合いで使っているという側面があります。
――「Typoless」を導入したことで、どのような効果がありましたか?
中島 例えば、「深掘りする」の「掘」が土へんの「堀」になっていたり、かぎ括弧の前後に半角スペースがあったり、目視では非常に分かりにくいところを指摘してくれるのはありがたいです。
鈴木 目視だけで文章を確認していたときは、誤字を五月雨式に見つけては個々に修正していました。Typolessでその作業を一括で処理できるようになったので、工数の無駄を省くことができています。定量的に比較するのは難しいのですが、時間短縮にもなっていると感じています。
コーポレートブランディング室 鈴木 彩 様
中島 編集していく過程で、何回も同じ文章を読んでいるうちに感覚がまひしてしまい、感度が低くなって、見落としがおこることは誰にでもあると思います。Typolessはそういった指摘だけでなく、読みやすい文章にする「良文サポート」機能など、自分では気づかないような客観的な指摘をしてくれるのがありがたいです。なかには「言われなくても分かっている」という指摘もありますが、「自分もそういうミスを起こしてしまうかもしれない」というアテンションを得られる場合も多く、使うことで文章に対する知識や感度が上がっていくのではないかと感じています。
鈴木 指摘があることで私たちの感度が上がり、校正の力量がアップするのであればプラス要因です。実際に、言葉の正しい使い方や細かい表現については、記事を制作する初期段階から意識するようになりました。
「ハミガキ」「歯みがき」の使い分けをチェックしたい
――活用していきたい「Typoless」の機能はありますか?
中島 「カスタム辞書」の機能を使いこなすまでには、まだ至っていません。社内特有の用語やルールの登録が進めば、校正作業もかなり変わると思います。たとえば当社では、歯をみがく行動を示す場合は「歯」のみを漢字で「歯みがき」と表記し、商品を示す場合はカタカナで「ハミガキ」と表記してきました。「歯みがき」「ハミガキ」「歯磨き」などの表記に対してTypoless でアラートを出すことによって、慣れていない担当者でも容易にチェックできるようになるはずです。
鈴木 オウンドメディアならではという点で「炎上リスクチェック」機能は、当社の視点とは違う指摘が得られるので、今後は使う頻度を増やしていきたいです。AIがどのような学習をして炎上リスクだと判断したのかについて、その根拠がもっと明確になれば、より安心感をもって活用できると思います。
――今後「Typoless」に期待することを教えてください。
中島 提出されてきた記事を読んでいて、日本語に違和感がある文章は、それが合っているのか、間違っているのか、校正者が自分だけで判断するのは不安があります。なんとなくおかしいと感じるような日本語に対しても、 指摘するなどTypolessのAIが進化する余地はまだまだあると感じました。その意味では、言葉同士の組み合わせや細かなニュアンスなどを、多くの文章から学習することによって、微妙な違和感をしっかりと指摘してもえらえるとうれしいですね。
鈴木 自分の担当業務以外でも、当社が発信する他の記事チェックを依頼されることがあります。その時に校正したフィードバックの根拠が主観ではなくTypolessによる指摘だと伝えることによって、社内的にも業務をスムーズに進めることができると思います。今後は社内の別のチームでも利用することになりました。様々な業務へとTypolessを展開することで、より精度の高いアウトプットにつながっていくのではないでしょうか。
ライオン株式会社
1891年に東京・神田で小林富次郎商店を創業し、化粧せっけんや粉ハミガキを発売したのがルーツ。オーラルケア分野、ビューティケア分野、ファブリックケア分野のほか、リビングケアや薬品といった分野でも製品を提供している。ハミガキ、ハブラシ、ハンドソープでは国内ナンバー1のシェア(2023年、ライオン調べ)。
タイ、マレーシア、中国などでも事業を展開している。
【URL】
https://www.lion.co.jp
【LION Scope(公式サイト)】
https://www.lion.co.jp/ja/stories/
【ライオン公式note】
https://note.lion.co.jp