Typoless 導入事例 | 業種:人材情報サービス
株式会社ROXX 様
生成AIが作った記事を校正し、制作作業を高速化

- 生成AIが誤ったまま学習した箇所を、的確に指摘
- AIが気づきにくい炎上のリスクもチェック
- スキルや経験の少ない社員でも校正の品質を担保
テクノロジーの力で労働市場の雇用ミスマッチの解決を目指しているROXX(ロックス)は、2024年9月に東証グロースにも上場した気鋭のベンチャー。テレビCMでも知られるノンデスクワーカー向け転職プラットフォーム『Zキャリア』の利用拡大に向けて、検索エンジンでの上位表示を目的としたSEO記事を自社で制作している。記事は生成AIで作られたもので、文章校正ツール「Typoless」によるチェックを経て、多くの記事が公開されている。圧倒的な制作スピードと省人化を実現した同社の鈴木様に、「Typoless」と生成AIによる相乗効果や、AI時代における校正の重要性などを伺った。
全ての記事を生成AIで制作、「Typoless」が有効な指摘で貢献
――「Zキャリア」のどんな業務に「Typoless」を使っていますか?
鈴木洋一朗 様(以下「鈴木」) ウェブで集客をするためには、昔から広告とSEO(検索エンジン最適化)が大きな手段で、これまで「Zキャリア」では広告が主流でした。2024年からはSEOに力を入れ、ユーザーである求職者の方々にとって役に立つ記事を「就職・転職ガイド」として公開することによって、Googleの検索順位を上げていくことを目指しています。
「就職・転職ガイド」のSEO記事は、元々は外部のライターに発注していましたが、SEOでは記事の本数が重要なのに対して、コストがかかるという課題がありました。そこで、今年からAIで記事を作り始めて、校正にはTypolessを活用することになったのです。
――現在は全ての記事を生成AIで書いているのですか?
鈴木 はい。最近はChatGPTやGeminiなどのさまざまな生成AIが出てきて、どんどん進化しています。人が書くものよりも質が高い記事を書けると思えるほどの大きなアップデートがあったタイミングで、AIで記事を書くことに舵を切りました。AIに置き換えることによって、1本の記事を完成させる時間で、約3本記事を作れるようになり、ユーザーに役立つ記事を少ない工数で作れるようになりました。
――生成AIでも校正できると思いますが、Typolessで校正を行う理由は?
鈴木 生成AIで記事はどんどん書けますが、ファクトチェックの部分や炎上リスクなどは、人の目で確認しなければなりません。そこにかなりの時間がかかってしまい、人によって誤字脱字などに気づけるかの個人差もありますので、Typolessの導入を決めました。工数やコストを下げるのと、校正のクオリティーを担保するという2つが大きな理由です。
――生成AIで作った文章に対して、Typolessの校正はどのように有効ですか?
鈴木 AIの文章も向上して、ヒューマンエラーのような明らかなミスは出さなくなってきています。一方で、AIは世の中のあらゆる文章を学習しようとしているので、文法などが誤った形で一般化している流行り言葉なども、そのまま文章として出してしまうのです。それは日本語として一般的には間違いであるというところを、Typolessは指摘してくれます。
また、AIは良くも悪くも指示に忠実に文章を出してくるので、こちらが指示する時点で炎上するリスクが含まれるような内容になっていたときに、Typolessの「炎上リスクチェッカー」で指摘されて気づくことができるケースが多いです。
Zキャリア 就職・転職ガイド
短時間で、SEO記事を制作
――校正手段にTypolessを採用された経緯をお聞かせください。
鈴木 文章をチェックするツールはないかと検索して出てきたのがTypolessで、朝日新聞社が作ったものなら間違いないだろうと。他のサービスとはあまり比較しませんでしたね。たとえば我々が生成AIを少しいじって校正しても、正しい日本語の蓄積は我々にはありません。新聞社は長く校正をやってきており、知見が組み込まれたプロダクトには、それだけの価値があると思いました。生成AIは正しいものも誤っているものも全部学習してしまっているので、しっかりチューニングされたものを使った方がいいという判断です。
UI(ユーザーインターフェース)に関しても、Typolessは画面として整っていて、こうすれば校正できるというのがわかりやすいです。校正した結果が右側に出てきて、それを上からチェックすればいいだけなので、非常に使いやすいと思います。
――どのような体制で利用されていますか?
鈴木 契約しているのはエンタープライズプランで、記事制作に関わる人のチームで利用しています。
――記事制作の流れを教えてください。
鈴木 まず、「正社員」「未経験」などの転職に関するキーワードを洗い出して、1カ月の間にどんな記事を何本公開するかをあらかじめ決めておきます。
実際の記事制作はキーワードに基づいて、当社が考案したプロンプト(AIに指示する文章)を生成AIに打ち込み、そのキーワードで検索上位を取るための記事を書いてもらいます。文章はすぐに出てきますので、Typolessによる確認や法務チェックなどの各種チェックを行い、記事を完成させます。最後に私が最終的なチェックを行い、公開するという流れです。
記事の制作はマニュアル化され、一定の品質の記事が出来上がるようになっています。各担当者が1つの記事を完成させるまでに要する時間は、徐々に短縮されました。その要因の一つには、Typolessの使い方に社員が慣れてきたことも含まれます。
――SEO記事の文章に求められることは何ですか?
鈴木 大きく2つあって、1つは検索エンジンに評価されるために、キーワードを検索する人の意図を分析して、文章に落とし込んだライティングです。もう1つは、検索を経由して来た人に、サイトに登録するという行動へと気持ちを動かすような文章の作りになっているかどうか。そのため、誤字がなく正しい文法の文章であることは、信頼性を保つうえで重要だと思います。
新聞社が培ってきたノウハウで、校正の品質を均一化
――Typolessの導入後は、効率化のほかにどんな変化がありましたか?
鈴木 大きいのは、判断するための基準がしっかりとできたこと。個人の主観が入ってしまうこともなく、校正の品質が均一化されたことは、導入効果として感じています。個々のメンバーも、校正でミスをしないように神経を尖らせる必要はなく、システムに従って項目を見ていけばOKなので、精神的にもかなり負担は減ったのではないでしょうか。
――将来的にTypolessに期待することやご要望は?
鈴木 Typolessは自動的に校正してくれますが、指摘してくれた内容を反映するかしないかの選択は、今は人がやっています。それを毎回学習してくれるようになれば、当社の求めるアウトプットが一発で出るようになり、工数をさらに減らすことができます。ユーザーや企業ごとのカスタマイズ性が、ユーザー辞書以外にもシステム自体に伴うようになれば、もっと使いやすくなると思います。
ただ、Typolessはセキュリティを重視して、校正の結果をサーバーに残さない仕様になっていると聞いています。私たちのチームが扱う文章は公開を前提としており、そこまでのセキュリティを求めていないため、使うごとにユーザーに近づいて賢くなるTypolessの別バージョンがあってもいいかなと思います。もちろん私たち自身もTypolessをより上手に活用して、今後はさらに質の高い記事を作っていきたいと考えています。
――AIで制作した文章が今後も増えていくと予想される中で、Typolessの存在価値をどのように捉えていますか?
鈴木 もともとは人間が書いた文章を校正するためのツールとして開発されたと思うのですが、生成AIは一般化された誤用も学習するので、Typolessにはお世話になっています。正しい日本語はAIにとってまだ難しい分野であるので、そこに新聞社が培ってきたノウハウを使わせてもらえるというのが、一番大きいですね。

株式会社ROXX(東証グロース上場:241A)
ROXXは、「時代の転換点を創る」をミッションとし、テクノロジーを活用することでノンデスクワーカーの正社員化を推進し、低年収層の所得向上を目指すHR Techカンパニーです。少子高齢化を背景に人材不足が進み、人材獲得競争のさらなる加速が見込まれるなか、日本の給与所得者の半数以上は年収400万円未満、非大卒は66%、非正規率も37%に上ると言われています。一方で、国内人材紹介市場において、その多くが学歴や職歴を持った即戦力の求職者を対象としたサービスとなっています。
当社ではこうした業界構造に着目し、主に製造・建設・運輸・サービス業等のノンデスク領域に特化。非大卒や非正規雇用で「正社員になりたい」と転職活動に取り組む未経験の求職者と採用企業のダイレクトマッチングに加えて、パートナー紹介会社を支援するプラットフォーム『Zキャリア』を展開しています。
【URL】
https://roxx.co.jp/
【Zキャリア】
https://zcareer.com/
【Zキャリア 就職・転職ガイド】
https://zcareer.com/guide